仕組みの解説

日本人は半分くらいがお酒弱いって本当?

みなさんはお酒強いですか?弱いですか?

二日酔いレッサーパンダ

僕は弱いけどお酒が大好きです

みなさまもそれぞれ色々なタイプの方がいらっしゃるかと思いますが、実はお酒の強さは基本的に遺伝で決まっているという事を知っていましたか?

そんなことを言うと、もともと強くない人にとっては悲しい事実を突きつけられる事となりますが、まずは自分のアルコール耐性のタイプをきちんと知り理解することで自分の身体にあったお酒の飲み方や二日酔い対策が出来るようになりますので、自分がどの遺伝タイプに属するのかを知ることから始めてみましょう!

ざっくりまとめ

  • お酒のタイプは大きく分けて6タイプがある
  • 自分がどのタイプか知ることでタイプ別の対処がわかるのでおすすめ
  • 日本人はお酒に弱いタイプが多い。だから二日酔い対策が大事!

それでは順を追ってご説明していきたいと思います。

まずはお酒の分解プロセスを知ろう

お酒というのは体内に入ってから最終的に排出されるまでに次のような3つのステップを踏みます。

  1. アルコールがアルコール脱水素酵素(ADH1B)によって分解されアセトアルデヒドになる
  2. アセトアルデヒドがアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)によって分解され酢酸になる
  3. 酢酸が二酸化炭素と水に分解され排出される

この3つのステップのうち、特に遺伝的に重要なのはステップ①と②で、①と②の酵素をどのぐらいのスピードで身体から出すことが出来るかによってアルコールおよびアセトアルデヒドの分解の得意不得意が決まります。

あなたはどのタイプ?

厚生労働省によると、日本人の約90-95%はアルコールの分解が早いタイプで、反対に欧米人やアフリカ人などは90%ぐらいがアルコール分解の遅いタイプです。

アルコール分解が遅いタイプの人は早い人に比べてADH1Bの働くスピードが1/5から1/6程度であると言われています。この2つのタイプを比べるとどちらが良いのか、それぞれにメリットデメリットがあります。

ADH1Bの働きが遅い欧米人タイプの人はアルコール分解によるアセトアルデヒドがゆっくり産生されるので、顔面紅潮、動悸、嘔気、頭痛などの不快な反応が起きづらいというメリットがあります。しかしその一方で、アルコールの分解がゆっくりなため、飲んだ次の日にお酒が残りやすいというデメリットもあります。

反対に日本人に多いアルコール分解の早いタイプの人は、アルコールを素早く分解するため翌朝のアルコール残りが少ないというメリットがあります。そしてデメリットとしては、アルコールを素早く分解してアセトアルデヒドを生産してしまうため顔面紅潮、動悸、嘔気、頭痛などの不快な反応が起きが起きやすいということが挙げられます。

参照:厚生労働省 eヘルスネット

さて、ここまでで第一の分解プロセスとして「アルコール→アセトアルデヒド」の分解スピードについて遺伝的要素があることがわかりましたが、続いて第二の分解プロセスである「アセトアルデヒド→酢酸」についての遺伝的な違いを見ていきましょう。

国税庁の出しているデータによると、ALDH2の酵素の活性タイプはこちらの3つに分けられるようです。

◆NN型・・・・ALDH2型の正常活性遺伝子型(お酒に強い)

◆ND型・・・・NN型の16分の1の活性しかない遺伝子型(ある程度は飲める)

◆DD型・・・・ALDH2型の活性のない遺伝子型(ほとんど飲めない)

そして、なんと同じ量の酒を飲んだ場合の血中アセトアルデヒドの濃度は、ND型はNN型の人の4~5倍、DD型はNN型の人の20~30倍になると言われています。

なお、一部の例外もありますが一般的にお酒をある程度飲めるが顔が赤くなるタイプの人はほぼND型です。(ちなみに私もこのタイプです。NN型の方が羨ましいですね・・)ちなみに、中国や日本などのアジア地方ではND型とDD型が多いのですが、欧米人やアフリカ人はほとんどがNN型です。そして日本人のタイプ別の割合はNN型56%、ND型40%、DD型4%だそうです。

参照:国税庁「あなたはお酒が強い人?弱い人?」

なのでこの2つをまとめると世の中には大きく分けてこの6タイプの人間が存在することになります。

アセトアルデヒド分解が
早い
アセトアルデヒド分解が
ゆっくり
アセトアルデヒド分解が
遅い
アルコール分解が
早い

お酒に強い最強タイプ

顔が赤くなりやすいが
次の日に残りづらい

お酒は飲まないほうがいい
アルコール分解が
遅い

お酒に強いが次の日に残りやすい

顔はやや赤くなり
次の日も残りやすい

お酒は飲まないほうがいい

実際にしっかりと調べるとなると医療機関などで血液検査などをして調べる必要があるかと思いますが、まずはざっくりとご自身の過去の経験からこの6つのタイプに当てはめてみて自分がどのタイプなのか考えてみてください。(ちなみに私はおそらくタイプ③だと思います。飲んでいる日は二日酔い症状が出やすいですが、次の日はあまり残らないことが多いです。タイプ①に憧れますね・・)

振り返りまとめ

さて、いかがだったでしょうか。まずは、お酒の強さには6つのタイプがあることを知らなかった方が大半かと思います。そしてお酒が強い人、弱い人、二日酔いになりやすい人、なりにくい人などの違いが遺伝によって決まっているというのも知らない方が多かったのではないでしょうか。

あとは、タイプを知ったら次はタイプ別に適した対処方法を知りたい方が多いかと思いますので、それについては別途記事をあげますのでお待ちいただければと思います!

  • お酒のタイプは大きく分けて6タイプがある
  • 自分がどのタイプか知ることでタイプ別の対処がわかるのでおすすめ
  • 日本人はお酒に弱いタイプが多い。だから二日酔い対策が大事!